米国経済分析局によると、4月のPCE価格指数と関連指標の結果は次の様になりました。
PCE価格指数
前月比
総合 +0.1%
食品とエネルギーを除くコア +0.1%
前年同月比
総合 +2.1%
食品とエネルギーを除くコア +2.5%
関連指標(前年比)
個人所得 +5.5%
実質可処分所得 +2.3%
個人消費支出 +5.4%
実質個人消費支出 +3.2%
個人貯蓄率 +4.9%
物価は安定
物価上昇はやはり限定的ですね。
僕のインフレに関する見立てを簡単にまとめると、米国の物価鈍化圧はこの半年もしっかり続いており、家賃インフレとサービスインフレの鈍化が軌道にのっていることが大きいです。また、GSCPI(サプライチェーンの目詰まりがわかる指標)がゼロ付近であることや、中国のPPI低下が継続していることなども効いています。※詳しくはタグ「米国インフレ」記事を参照ください。
加えて第1次トランプ政権時の調査では、関税分はほとんど価格転嫁されておらず、転嫁をするといっても簡単ではないようです。
あと、「関税による物価上昇はまだこれからだ」という意見にも懐疑的で、ダラス連銀のアンケートからは、企業が価格転嫁する場合、そのタイミングは早いと考えられます。
つまり、物価上昇が限定的であることは違和感のない結果です。(ただし5月は少し戻しそう)
良好な関連指標
所得、支出、貯蓄がこの水準であるのは、底堅い経済です。
個人所得がこんな感じで推移するなら…
個人所得
実質可処分所得
消費は底堅いです…
個人消費支出
実質個人消費支出
個人貯蓄率も4.9%であれば使い過ぎでも貯めすぎでもありません。
でもよく見ると、2025年は所得増に対し支出増がやや鈍いです。
最近のトランプ政権のごたつきで消費者信頼感が悪化していたので、やや貯蓄よりになっている可能性がありますね。
それともうひとつ知っておきたい事があります。
年金支給の増加が反映されている
バイデン政権は1月に「Windfall Elimination Provision(WEP)」と「Government Pension Offset(GPO)」という規定を撤廃し、社会保障給付の法改正をしました。
この規定は簡単にいうと、年金の二重取りを防止するルールなのですが、それが厳しすぎて不利益を被っていた地方公務員や州公務員がいました。(社会保障局の関連リンク)
この法改正が今回の所得増には影響しています。(3月も強めに上昇しているので影響したかも)
なので上のチャートから所得増に関しては少し割り引いて考えておくといいかもです。
今回の結果は底堅い経済であることがわかりますが、ADP雇用統計の悪化なども最近見られるので、あまりポジティブになりすぎず受け止めておくのが良いかなと思います。
以上、今回のPCE価格指数と関連指標のまとめ記事でした。
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