アメリカ小売統計 弱い数字も詳細からは底堅さも感じられる内容でした(2025年5月分)

米国センサス局によると、5月の小売統計は次のようになりました。

前月比 -0.9%

前年同月比 +3.3%

出典 U.S. Census Bureau(アメリカ国勢調査局)『Advance Monthly Retail Trade Report』2025年5月分 

 

前年同月比の過去5年間の推移はこちら

 

チャートの最後のほうを見ると、ここ数か月は低下傾向です。

 

今回もほとんどのカテゴリーが前月比ではマイナスになっていました。※これは3月4月に駆け込みで強かった反動減ですね。

 

低下傾向であることは要注意ですが、今回の結果は数字よりややポジティブに捉えておきます。

 

例えばGDP算出に影響するコントロールグループは前月比+0.4%ありました。(コントロールグループの推移はこちら

 

また、オンライン販売(無店舗型小売業者)は前年同月比で+8.3%と堅調です。通販は上半期に落ち込みやすく、実際この半年弱かったのでこれはひとつ安心材料です。

 

その他ガススタの売り上げが前年同月比-6.9%と大幅減になっており、エネルギー価格が落ち着いたことが背景ですから悪いことではないのですが、全体の数字をやや悪く見せていますね。

 

このように、よく見れば数字ほど悪くなっているわけではありません。

 

まだ底堅さが続いているとする根拠には、物価と賃金の関係もあります。

 

CPIの前年比は5月で2.4%、ADP雇用統計の就業継続者の賃金の伸びが4.5%です。この事は、米国の消費者に、約2%程度の余裕があることを示唆しています。(ADP社によるリリースはこちら

 

つまり、米国人それぞれの家計は、所得層による違いはあるにせよ平均的にはそれほど懸念する状態にはなっていないです。

 

問題が出てくるとすれば、やはり労働人口の増加ペースが鈍り総売り上げがおちることです。個々の家計ではありません。

 

その影響が今後どの程度出てくるのか引き続き追跡したいと思います。

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