昨夜は気になる指標が多いので、まとめていきます。
ユーロ圏インフレ率
ユーロスタットによると、欧州圏(27か国)ではなくユーロ圏(19か国)のインフレ率3月分は、速報値で2.2%となりました。1月の2.5%から2.3%、そして2.2%と低下しています。また、失業率も6.3%から6.1%に低下しました。(欧州圏の失業率は5.7%)
米国製造業PMI
S&Pグローバル製造業PMI3月(確報)、それとISM製造業PMIがともに低下しました。昨日お伝えしたダラス連銀製造業指数と、内容は似たようなものになると思うので今回は省略します。
米国JOLTS求人数
※U.S. Bureau of Labor Statistics, Job Openings: Total Nonfarm [JTSJOL], retrieved from FRED, Federal Reserve Bank of St. Louis; https://fred.stlouisfed.org/series/JTSJOL, April 1, 2025.
米国労働統計局によると、2月の求人数は756万8000人となり1月の776万2000人から減少しました。去年気になっていた西部州の求人減少は最近は目立たなくなっているように感じます。
チャートを見ていただくと、最近は概ね横ばいとなりタイトだった雇用環境は是正(減少)、しかし長期的ラインは支えられる、と言う水準にいます。ここからさらに減少していく場合リセッションの兆候の一つになり得ます。最近よりリアルタイムに近いインディード求人数のほうでやや減少傾向にあるため、合わせて注視したいところです。
ハッキリとした上昇を始めるまでは油断できない指標です。
ダラス連銀非製造業景況感調査
今までダラス連銀サービス業指数と記載してきましたが、今日からこの名称にしていこうと思います。
サービス業景況感調査
ダラス連銀によるとテキサス州のサービス業景気認識は3月に悪化、収益指数は停滞となりました。
前月比では多くのカテゴリーでシリーズ平均より悪化した状態になっています。
販売価格がシリーズ平均24.5に対し、2月に22.8→3月に20.6(どちらも見通し)と低下しているのが興味深いです。
小売業景況感調査
小売業のほうも景気見通しは悪化、3月の売上活動は減少しました。
どういうわけか雇用が増加しているのに労働時間は減少しています。
インターネット販売もマイナス圏に落ちています。
6か月見通しをみると、労働時間の減少が見込まれており、こちらもサービス業同様に販売価格は少し低下となっています。
注目点(重要要素な可能性あり)
アンケート調査に興味深いことが二つ書かれています。
ひとつは、銀行融資の審査が噂レベルで厳しくなり始めたとあります。この辺は倒産件数や銀行信用の伸びをチェックする必要性が増しているという事です。
もちろん追跡していきます。
もうひとつは耐久消費財卸売業者の項目に、直観に反し米中の関税と報復関税は鶏肉の価格を低下させるという意見があります。これは互いの行動が商品をだぶつかせ、物価を押し下げる影響もあることを示唆しています。
また、見通し指数のほうでも物価の強い上昇は見込まれていないように、もしかすると関税を価格に転嫁できないと考えている事業者が多い可能性があります。
いずれにしても、これらから推測できることは、トランプ政権一期目の関税で物価が押し上げられていなかった事と整合性があります。(関連記事)
当時より関税の規模が大きいことや、こういう曖昧な情報から全体を結論付けるのは誤認に繋がるのでまだ確信は持てませんが、もし推測通りであれば物価見通しについてマーケットはまた大きく見誤っています。
引き続き俯瞰的にチェックしていきたいと思います。
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