ダラス連銀の7月の展望調査が出ていたので、まとめて確認していきます。
製造業展望調査
7月は生産指数が1.3から21.3に急上昇するなど、顕著に回復しています。
その他も、稼働率、雇用、労働時間、6か月見通し(生産)などは底堅い印象を受けます。
アンケートを見ると、まだまだ悲観的な声も多いですが、不安はある一方で6月よりは良い(食品製造)、過去数か月に比べ注文が多い(機械製造)、トンネルの出口に光が見えている(機械製造)など、ポジティブな声も増えた印象です。
サービス業展望調査
サービス業も7月は回復傾向ですが、製造業に比べてその傾向は控えめです。
全体的にはまずまずで、収益や雇用、労働時間、設備投資などが改善する一方、パートタイム雇用はやや低下も。
アンケートを読むと、前回に続いて今回も、ガスインフラなどの事業で受注の増加があるとの意見があります。これに関しては少し腰が入った動きなのかもしれません。
小売業展望調査
小売業はさらにもう一段控えめな印象です。
アンケートは興味深いものが多く以下引用です。
- 売上は減少し、価格は上昇しています。利益率も低下しています。在庫の遅延やキャンセルが発生しています。(電気製品)
- 関税が課せられた製品が届き始めており、価格上昇は相当なものとなっています。(自動車及び部品)
- 原材料価格は引き続き上昇傾向にありますが、今後6ヶ月で関税が解消されれば下押し圧力がかかるため、これは一時的なものになると考えています。また、価格引き上げの余地もわずかながら見つかっており…(飲食店)
全体的に価格上昇を伝える声が多い印象です。
指数を見ても投入価格は17.5から31.6と、強めに上昇しています。
ところが、販売価格は14.1から9.0に失速(マイナスではないので上昇はしている)しているのです。
このギャップはまさに今の米国経済を反映しています。
価格転嫁の余地が非常に小さいのです。関税により価格上昇圧が効いているのは間違いありませんが、価格をあげれば売れない事がわかっている、そんな状況です。
まとめ
全米第2位の経済規模を持ち、最先端半導体工場なども多いテキサス州、そのテキサス州を含むダラス連銀展望調査は、他の地区連銀の調査に比べブレ幅が少なく僕は大変参考にしています。
その結果は7月に回復が見られました。
しかしその強さは何か転換点を迎えたというよりは、4,5,6月の失速に伴う自律反発的な控えめなものに感じられます。
引き続き追跡していきます。
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