こちらは米国のインフレ見通しに役立つリストです。
物価上昇はネガティブな印象が強いですが、消費が強ければ落ちにくいのでポジティブな側面も持っています。また、ここで紹介するインフレの先行指標よりも、マーケットはCPIやPCE価格など最終的な数字で一喜一憂のように変動します。
そのため、実際のインフレ動態とマーケットの認識がずれることは多々あるので、この辺をチェックしてもらうと自分だけの相場観で安値を拾うのに役立ちます。
ぜひ参考にしてください。
インフレナウキャスト
https://www.clevelandfed.org/indicators-and-data/inflation-nowcasting
インフレ関係指標の最新の予測値を掲載しています。実際に公表されるインフレ率と近いことが多いです。記載されている月は、公表月ではない点に注意してください。
物価の過熱が意識される時も、実際にはさほど上昇圧は高まっていないことが多いので、この指標で確認してみてください。
グローバルサプライチェーン圧力指数
https://www.newyorkfed.org/research/policy/gscpi#/interactive
GSCPIと呼ばれる物流抑制がわかる指標でニューヨーク連銀が掲載しています。ゼロ以下であれば物価には低下圧力がかかります。約半年ぐらいの時差で米国のCPIに影響してきます。僕は2022年夏と秋に株式を購入した際、インフレが安定的に鈍化するとの判断をこのGSCPIや中国PPIなどを見て判断していました。
輸入物価
https://fred.stlouisfed.org/series/IR
メキシコ、中国、カナダの生産者物価を見ることも大切ですが、まとめてこちらの指標を見ることもあります。時差が数か月ありますがCPIに影響してきます。2022年を参考にすると、中国PPIだと半年ぐらいの時差ですが、輸入物価全体では3~4か月の時差に見えます。
生産者物価(PPI)
https://fred.stlouisfed.org/series/PPIACO
こちらもインフレに影響する生産者物価です。輸入物価や生産者物価の上昇が数か月続くようであれば、根底では着実に物価の上昇圧力が増しています。逆に低下しているようなら、物価は近い将来鈍化する可能性が高いと考えられます。
家賃インフレ
https://fred.stlouisfed.org/series/CUUR0000SEHA
家賃はCPIの約3割に影響する(帰属家賃を含む)要素で、僕はCPIが公表されたら毎回チェックしています。ここ数年、先行する新築家賃に遅れている印象で、なかなか鈍化しません。原因は移民の流入があると思います。ただし、2024年下半期から移民流入は減っており、2025年は歴史的な集合住宅の供給ブームである点などを考慮すると、鈍化傾向であることに変わりはないと見ています。
サービスインフレ
https://fred.stlouisfed.org/series/CUSR0000SAS
PPIが落ちてもCPIが落ちにくいという強い経済の典型がこの数年頻繁に起きていました。
サービスインフレは複数の種類があるので、代表的なものをリンクしています。
ロイター/ジェフリーズCRB指数
以下の19種類の商品先物価格を追跡する指数です。
エネルギー: 原油、天然ガス、ガソリン、暖房用燃料
農業: トウモロコシ、大豆、小麦、綿花、コーヒー、ココア、オレンジジュース、砂糖
金属: 金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル
家畜: 牛、豚肉
期待(予想)インフレ率
2年 https://fred.stlouisfed.org/series/EXPINF2YR
5年 https://fred.stlouisfed.org/series/T5YIFR
10年 https://fred.stlouisfed.org/series/T10YIE
物価上昇率は最終的にこの期待インフレ率に収束すると言われています。ただし、期待インフレ率が物価をけん引する一方で、その逆の視点が少々軽視されているように感じます。
このページに記載した様々な根底要因によって物価は左右され、それに合わせて期待インフレ率が物価にけん引されるシーンも度々見かけます。あくまでマーケットの予測値として参考にしたい指標です。