米国 新規失業保険申請件数を見ていきます(2025年3月6日公表分)

米国労働省資料によると、3月1日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は22万1000件で、前週の修正前水準24万2000件から2万1000件減少しました。

また、2月22日までの週の継続失業保険申請件数は189万7000件で、その前週の修正水準から4万2000件増加しています。前週の水準は186万2000件から185万5000件に7000件下方修正されています。

 

二つの指標からの考察

新規失業保険申請が、最近の状況にしてはかなり良かったという印象です。

米国の雇用が意外と強い?という受け止めと同時に、最近の状況を踏まえると少し違和感のある強さなので、来週再来週も含め判断していきたいですね。

 

一方、継続失業保険申請は相変わらず低い水準での微増が続いてます。

 

今のところどちらもリセッションになる状況には見えません。

 

新規失業保険申請がもしこのまま低水準でいくなら、企業は人手不足を懸念しこの状況でもレイオフを控えていられる程度の失速だと判断できます。また、継続申請のほうは240万に近づくまでは僕は深刻に捉えないので、こちらも低水準が続くなら少し安心です。

 

やはり米国経済は失速はするけどリセッションまでは遠い、と言う捉え方が今は客観的だと思います。

 

おまけ チャレンジャー人員削減について

余談ですが、昨夜投資界隈で有名な方がチャレンジャー人員削減という指数を新規失業保険申請の先行指標だとポストしていたのですが、これは少し事実とは違います。

 

昨夜その指数が跳ね上がった(悪化した)のですが、例えばパンデミック時に先に劇的に跳ね上がったのも、今回(前回)も先に上昇しているのは新規失業保険申請のほうです。特にパンデミックの時、週1指標の新規失業保険申請は3月中にもう異常な数字になっています。しかしチャレンジャーは月1指標ですから、急増が4月初旬に判明、本格的に悪化したのを把握できたのは5月初めでした。

 

また、それだけではなくこの指数は実体を反映してると言えない部分があります。

 

例えば2022年末にこの指数は目立って上昇していきましたが、当時新規失業保険申請は緩やかに低下しています。当時米国経済の実態は明らかに改善しつつありました。これを先行指標としていたら僕は2022年の秋の下落で株式を大量に買うことはできませんでした。

 

以上、おまけの豆知識でした。

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