米国、労働統計局によると3月の求人数は719万2000件、2月のデータは前回発表の756万8000件から748万0000件に下方修正されました。
求人率は4.3%、採用数541万1000件、離職数は513万7000件となりました。
求人数
求人数の推移は次のようになっています。
時々お伝えしていますが、2022年ごろの急上昇はパンデミック後の急回復によるものです。
人によってはこの急上昇からの急減速を見て米国経済を懸念していますが、これはそもそも持続不可能なので問題ではありません。
重要なことは、米国に労働人口が安定的に流入し続け、その労働人口と同数程度の仕事の空きポストが増加し続けているかどうかです。
つまり長期的トレンドを下に切り抜けるかどうかに注意を払わなければいけません。
今まさにそういう水準に来ていますから今後もしばらく注意が必要です。
求人率
次に求人率の推移を見てみます。
求人率はBLS公式ページの説明によると、求人数を雇用数と求人数の合計で割り、100を掛けて計算されます。
そのため、労働人口が増え続けてきた状況では、求人率が横ばいであれば仕事の空きポストはしっかり増加していることになります。
その他 全体として
パンデミック後の急回復が終わったところへ関税懸念が重なり企業は求人と採用に慎重な姿勢となっているのが鮮明です。
しかし表5を見るとレイオフは22万2000件(合計155万8000件)減少しており、解雇にも慎重な様子が見られます。
この様子は数日前に記事にした新規失業保険申請件数の分析からも同じ傾向が見られ、企業は守りに入る一歩手前のところで様子見を続けています。
つまり労働市場はまだ底堅く強いと言えます。
これはまだリセッションの状況ではありません。(逆に言えばマーケットはリセッションをまだ織り込んでいないと思います)
引き続き雇用関連指標に注目していきます。
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