米国労働省によると先週の新規失業保険申請件数は、21万5000件となりました。
1年半ほどの推移は次のようになります。
関税報道でマーケットがパニックになっても全く増えていないことが確認できました。
経営者は人手不足を懸念しレイオフを控え、申請が増えにくい状況ではあると思いますが、それにしても全然増えません。
基本的に新規失業保険申請はこちらのリストのなかで、1番か2番目に早くリセッションの兆候を捉えます。30万~40万以上なら要注意で景気後退時は徐々に上昇していきます。
それが先週分のデータでも増えないなら少し認識を補正していいレベルだと思います。
つまり実体経済はマーケットの懸念ほど悪くなっていないです。
ただし、参考としてレイオフ情報を追跡するチャレンジャー人員削減は急上昇しています。
これが指標の性質上、新規失業保険申請の先行指標だと主張するインフルエンサーもいるのですがこの解釈はあまり正しくないと僕は思っています。人員削減計画のあとに失業申請が増えるというのは感覚的にわかりやすいですが、実際は計画を公表せずにレイオフする中小企業が先に増えます。ついでにチャレンジャーは月次指標で、新規失業保険申請は週次指標です。
パンデミック時も先に新規失業保険申請のデータが増加しています。
でも人員削減計画が増えているのは間違いないです。つまり人員削減計画はある、しかし実際に削減する状況までにはなっていない、今の米国企業はそのギリギリにいると解釈できます。
今回、継続失業保険申請も、188万5000件と低水準を維持しています。
継続申請は240万ぐらいまで上昇していきそうなら要注意なのですが、この数字は転職がまだスムーズであることを示唆します。
引き続き油断せずこの失業保険申請の追跡をしていこうと思います。
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