米国経済分析局(BEA)によると、2025年第2四半期のGDPは、2次速報で+3.3%の成長(1次速報+3%)となりました。
結果は良好
主な結果は次のようになっています。
実質GDP 3% → 3.3%
名目GDP 5% → 5.3%
個人消費 1.4% → 1.6%
企業設備投資 1.9% → 5.7%
民間国内最終購買 1.2% → 1.9%
※その他前四半期比のPCE価格もありますが前年比がもうすぐ出るので除外
それでは詳細を見ていきます。
駆け込み需要が強く反映されている
今回の上方修正を一言で言えば、駆け込み需要が1次速報より強いことが判明した結果です。
具体的には、個人消費が上方修正され、とくに企業設備投資が非常に強かったことで、それらを含む民間国内最終購買が強めに改善しました。
駆け込みなので一過性ですが、それでも米国人には底堅い強い需要があることが確認できます。
輸出入でブレやすくなってる今の米国GDPでは民間国内最終購買が一番大事で、1次速報では1.2%でした。これは前回も記事にしていますが結構焦る低さです。それが上方修正されたのは素直に良かったです。
近い将来のリセッションはおきそうにありません。
基調的なGDPはどのぐらいか
GDPそのものが3.3%もあるのは、Q1の激増から反動減となった輸入の影響です。
簡単にいえば盛ったGDPです。
では輸出入と、一時的要因である駆け込みを除いたトレンドはどれぐらいか?を考えてみます。
民間国内最終購買には、輸出入は直接影響せず、在庫も除かれます。しかし駆け込み需要と駆け込み投資は影響します。
ということはQ2の最終購買(1.9%)の少し下ぐらいが経済の実力かなと思います。
参考までに去年のQ4の米国GDP(前期比年率換算)は+2.4%、通年では2.8%でした。やはり減速は鮮明ですね。
まとめ
今回の結果は、センチメント調査の悪化からは見えない米国人の本当の需要が、まだ強く残っていることがわかる内容でした。
これはリセッションが近い将来起きる、あるいはすでに起きているという分析が、実体とは異なっていることを意味します。
しかし、基調的な米国経済の減速は着実に進んでいます。
全体的には今までお伝えしてきた分析を補強する内容なので見通しはこのままとし、今後は駆け込み消費、投資が無くなり基調のやや下に振れた結果が出やすくなると思うので、こういった点を警戒しながら追跡していきます。
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