米国の3月生産者物価指数(PPI)が出ました。
米国労働統計局によると次のようになりました。
総合PPI 前年比 +2.7% 前月比 -0.4%
コアPPI 前年比 +3.3% 前月比-0.1%
前月比でデフレです。
詳細を確認(月次)すると、食品とエネルギーの下落が強く、それぞれ-2.1%と、-4.0%となっています。また最終需要では卵が-21.3%の下落で、鳥インフルエンザの影響が落ち着いてきたのがわかります。
中国が報復関税をしっかりかけているため、米国の農作物などはだぶつきさらに価格は落ちると考えられます。
その他、中国製品で関税の影響がありそうなもので変化が起きてるのは、アパレル卸売業で+4.4%とあり、下落が続いていた中で急な上昇に見えます。あとは家電量販店で+14%が目立ちます。化学製品、プラスチック製品の卸売価格も最近にしてはやや上昇しているかな?という印象です。
PPIで家電量販店?と思うかもしれませんが、PPIにはマージンが含まれるためこういうカテゴリーがあります。つまり中国製電化製品などの在庫切れが予想され割引セールなどが一斉に終了した可能性が考えられます。
こうしてみると、たしかに影響はありますがこれだけ…?というのが正直なところです。
中間需要に多い鉄鋼製品などは上昇しているようですが、結局、PCE価格指数やCPIにどう影響するかなので、僕はPPIを最終需要中心に見ています。その観点では今のところ、生産者は価格転嫁や便乗値上げに消極的です。
つまり、価格が上昇しても消費者に届く前に吸収され価格転嫁できないという、トランプ第1次政権時と同じような現象が起きています。(1期目を調べた記事はこちら)
ちなみに輸入物価指数には関税は含まれません。
もちろん、影響が出てくる製品もまだまだあると思うので油断はできませんが、おそらく関税による物価の上昇は今のところ需要の失速でかなり相殺されそうに感じます。
引き続きこのブログでは、関税でも米国の物価上昇は限定的と言う見通しを維持しようと思います。
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