米国労働統計局によると3月の非農業部門雇用者数は22万8000の増加、失業率は4.2%、平均時給前年比は3.8%となりました。
2月の15万1000は、下方修正され11万7000になっています。
失業率を分解する
世帯調査を詳しく見ると、雇用されている就業者数と失業者の合計である民間労働力が170591(単位千)で、失業者が7083(単位千)でした。ということは、失業率が上昇してますが、計算すると0.0415…つまりギリギリ4.2%です。
これは前回指摘したように上振れしやすい状況だったため案の定今回4.2%となった形です。つまり失業率は2か月連続で0.1%づつ上昇していますが2月の悪化からはあまり変わっていません。現状では4月の失業率は数字上は伸びにくくなったわけです。
一方で今移民流入が激減しているため、失業率は実体経済の悪化に比べやや上昇しにくい状況にあるので、この辺のバランス感を保ち極端に解釈しないことが大事かなと思います。
労働人口の増加ペース
次に事業所調査の雇用者数(1年間)の、前年比変化率を見てみます。
※U.S. Bureau of Labor Statistics, All Employees, Total Nonfarm [PAYEMS], retrieved from FRED, Federal Reserve Bank of St. Louis; https://fred.stlouisfed.org/series/PAYEMS, April 4, 2025.
減少はしていますが、まだ1.2%増加してるなら悪くないです。
余談ですが、世帯調査のほうが自営業や農業従事者なども含まれるので包括的ですが、移民のカウントが相当数漏れている可能性が高く、ここ数年世帯調査と事業所調査の伸びには乖離が生じています。最初に書いた失業率は、世帯調査でしか計算されないので仕方ないですが、米国の労働人口の増加ペースを見る際は、本当は移民のカウント漏れが少ない事業所調査の推移でチェックするのが無難です。
乖離の原因はダブルワーク?
専門家の中には、世帯調査と事業所調査のずれをダブルワーク(事業所調査だと1人が複数カウントされる)だと説明してる方が時々いますが、ダブルワーク総人口は確かに増えている一方で、労働者全体に占める比率はそこまで上昇していないのでこれが主因ではないです。色々な研究などを読む限り、原因は世帯調査の移民労働者のカウント漏れだと考えられます。
ハッキリ言って僕としては関税をかけても人々は暮らしていけると思えるのでそこまで深刻には考えていないです。また、景気が悪化することでレイオフが増えるなら、移民流入が激減している影響が小さくなります。
もちろんトランプ政権で経済は一時的に委縮するし、特に駆け込み輸入が増えたことで数字上GDPが激減しますから短期的に米国GDPはダメですが、それでも長期的視点でこういうデータを見ていこうと思います。
引き続き雇用統計の各種データを追跡していきます。
出典
米国雇用統計に関するデータ
米国労働統計局(Bureau of Labor Statistics, BLS) https://www.bls.gov/
GDPに関するデータ
米国経済分析局(Bureau of Economic Analysis, BEA)https://www.bea.gov/
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