月末なのでこちらにまとめているリセッション予測リストを確認します。
参考情報として、今回↑のリストにWEIという実体経済を反映しやすいGDP予測と、鉄道輸送量の推移を追記しています。
合わせてこちらもチェックしていただけると嬉しいです。
雇用関係
センチメントの大幅な悪化に対し、非常に底堅い状況が続いています。
景気後退前にほぼ必ず上昇し始める新規失業保険申請件数も、ほとんど上昇していません。
非農業部門雇用者数の前年比の伸びは安定し、労働時間の前年比の伸びもここにきて増加しておりリセッションの兆候は確認できませんでした。
ただし昨夜のADP雇用統計や、労働市場状況指標(LMCI)のモメンタムは悪化していますので、今後1~2か月のデータが重要になってきたと感じます。
金融環境
セントルイス連銀金融ストレス指数が一時上昇しましたが、現時点ではゼロ以下に戻っています。
イメージしやすい例で言えば、2023年のシリコンバレー銀行破綻時と同じぐらいの萎縮が起きた感じです。
この指標はノイズが多いのでANFCIなども確認していますが、こちらはゼロ以上に上昇する様子は見られません。
つまり金融環境は実体経済を大きく収縮させるような状況にはなっていません。
複合指標
GDPnowが大きく悪化していましたが、輸入の一時的な急増などが強く影響していたためで、先ほど 米国経済分析局のGDP速報をもとに2.4%にもどりました。
GDPnowの代替に追記したWEIは十分なプラスを示しています。
ただし、GDPギャップがピークアウトしているように見える点は注意したいところです。
その他
NY地下鉄利用者数、鉄道貨物輸送(今回追加)、フライト統計、失業保険の検索傾向などを調べましたが、リセッションを懸念する状況とは言えません。
特に失業保険の検索は4月前半に上昇したのちに明らかに減少しています。
まとめと見解
1-3月期のGDPがマイナスになったことで、景気後退だという意見が今後多くなると思いますが、おそらく方針を転換する事になると思います。
マイナスは輸入の急増などの影響で、実体の経済活動とは乖離のある結果です。
ただし、前々からお伝えしているように、労働人口(移民)の流入が壊滅状態(関連記事はこちら)になっているため、中長期的にある程度の失速はデフォで起きます。
つまり今の米国経済は、中長期的なゆっくりとした失速と関税懸念による急激な失速が重なっています。
この辺に注意しながらまた5月もチェックしていこうと思います。
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