日本の長期金利が年初からハイペースで上昇しており、1.4%を超えました。
報道では1.5%も視野との声があります。
背景には1月の利上げ予測が急に盛り返したことや、田村直樹理事が2回以上の利上げを示唆したことなどがあります。具体的には1月の金融政策決定会合で、政策金利は0.5%となり、そこから2回「以上」ですから1%以上が想定され始めた形です。
ただし、もともとタカ派の田村理事の言葉などでここまで上がるのは不自然にも見えます。
日銀の政策正常化が軌道に乗っているだけとの冷静な意見もありますが、個人的には楽観はしていません。
名古屋大学の齊藤誠教授のこちらの研究によれば、大量の貨幣供給と国債発行でも、長短金利がゼロ水準では物価が安定しやすい性質があるそうです。
しかし、金利が低位から離陸するとその均衡は崩れ、物価上昇が止まらなくなる可能性が指摘されています。
さらにプレスリリース本文を読むと、金利は数%まで上昇しハイパーインフレになるシナリオも想定され、それは貨幣需要の低下と財政規律回復に失敗することが関係していると読み取れます。
もちろん現状は、戦後の貨幣需要の低さほどではないとは思います。
でも国民の増税ストレスの高まりで政府が財政健全化を宣言出来ない時合を考えると、無視できない研究ではないでしょうか?
日本の長期金利から目が離せない状況になりつつあります。
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