iLeの投資観① 銭ゲバから卒業しインデックス投資をしよう

短期売買は8~9割の人が負けると言われています。

 

全員が一生懸命努力して、寝る時間も惜しんで努力するのになぜ負けるのか不思議ですよね。

 

一方で全く勉強しなくても指数は理屈上、全員が勝ちます。

 

つまり投資は「努力によって結果が左右されない」側面があります。※あくまで全体像です。

 

なぜこのような結果になるのか?

 

僕の今の運用スタイルはこの疑問から始まりました。

 

裁量による売買が不利な理由

答えは二つあると思います。

ひとつはコストです。

市場平均のリターンは例えばS&P500で年10%であり、何度も何度も繰り返し売買し手数料をかけていたらあっというまにこの10%を上回ってしまいます。

 

さらに税金もコストです。

税金は結局最後払うから同じと言う人もいますが、決してそんなことはありません。資産運用をしていたら利益を確定したいと思うときがあります。しかし税金分以上の充分な下落を高確率で的中させ、尚且つ下で買いなおすというのは非常に難しいです。それが出来なければ保有し続けた場合と同等のコストではありません。

税金がコストという認識は特定口座等で利益が乗っていれば痛切に感じます。

 

もうひとつは短期的リターンの本質は人の損失(ゼロサム)ということです。

誰もが人より安く買おうとし、誰もが人より高く売ろうとします。そうしなければリターンは発生しません。でも優秀な人たちが組織的にすべての力を振り絞って渦巻く中、自分だけがライバルより上手に立ち回り続けると考えるのは無理があります。

人の損失こそが自分のリターンだという本質は、マーケット全体を疑心暗鬼にさせます。その結果高くなりそうだと思えば人より高く買い、安くなりそうなら人より安く売ってしまいます。

他人を出し抜いてうまく立ち回らなければリターンは生まれないのに、やってることは相場の波に乗ろうとする。まさに自殺行為です。

 

その結果、たとえうまくいっても次はイマイチ…を、多くの人が繰り返します。しかし勝っても負けてもコストはかかり続けるので、必然的に短期売買は勝ちにくくなります。

 

優秀なら勝てるわけではない

デイトレードだけではありません。

優秀なファンドマネージャーも実のところそれほど勝ってはいません。

 

ロイターの記事によれば2024年のヘッジファンドのリターンは、ほとんどS&P500に負けています。

世界最大級のヘッジファンドは運用資産26兆円ぐらいです。もし裁量による運用が市場平均を大きく超え続けるのであれば、ヘッジファンドがいつまでもバンガード(インデックス特化で運用額は1,500兆円)に追いつけないのは不自然です。

 

さらにジョン・C・ボーグルの「インデックス投資は勝者のゲーム」という本(P170~P174)によれば、2006年~2011年にトップのパフォーマンスを叩き出したアクティブ運用ファンド上位2割のうち、次の5年間もその地位(上位2割)にとどまれたのは、その中のたったの13%だったそうです。なんと62%は平均以下のリターンに落ちています。興味深いことに、両期間のすべての分布は似たような結果になっています。

さらに1期目の下位2割のうち、次の期で上位2割になったファンドが17%いました。また、2001年~2006年の5年間と第1期目を比べても同じような結果です。

つまりリターンは能力によるものではなくまぐれというのが実態です。

 

平均回帰の力からは逃れられない

さらに同書(P202)によれば、アクティブ運用がインデックス運用に勝つ確率は50年では2%、5年では15%と分析されていますが、実際にはもう少し厳しく1970年以降の355本のファンドがあるなかで市場平均に2%以上勝ったのはたったの2本だったそうです。

こういうことを知ることが投資の勉強だと僕は思っています。

一般的には優秀な投資家の能力は続くと考えられがちですが、市場には強力な平均回帰の力が働いており、長期的にはランダムです。

 

インデックス投資は市場が非効率であっても勝てる

以上のことを踏まえれば、あらゆる株式を最初から保有し続け、コストを限界までかけなかった側が有利になる必然があります。

インデックス運用は今でもその優位性を正しく認識されていません。

例えば優位性を現代ポートフォリオ理論だとする考えです。それは優位性のごく一部です。また、損切り出来る人にはアクティブの方が良いと大真面目に言ってる方も見かけたことがありますが、そういった指摘も本質を理解していないと感じます。

あらゆる投機的リターンは最終的にランダムです。繰り返せば純粋な投資リターン(本質的価値に裏打ちされたリターン)だけが残ります。

僕はそんな風に考えているので、マーケットが悲観的な時にインデックス運用で株式をたくさん買うようにしています。他人からみたら狂気かもですが、それが一番、平凡な自分には勝ちやすい選択です。

 

ではなぜ株式なのか、それはまた次回書いてみます。

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