昨夜のADP雇用統計悪かったですね。
※これを受けて昨夜、株式が運用額の7割になるようにある程度売りました。
ADP Research Instituteによると、雇用者数は37,000人増と非常に少ない一方で、賃金は就業継続者で年率4.5%増と好調を維持しました。
人手不足の可能性
普通に考えれば、企業が雇う意欲を失っているときは雇用者数が減り、賃金も落ちると思います。
しかし、賃金が横ばいということは、雇用が思うように進んでおらず待遇は維持されている可能性がありますね。
ちなみにADPリサーチはラボサイトで、従業員のモチベーション指数というのも公表しているのですが、それは過去最高になっています。(つまり従業員は待遇改善などで雇い主に必要とされている実感をもっています)
この状況は、失業率は落ちやすく雇用者数は伸びにくいと考えられます。
ADP雇用統計は政府雇用統計と同じ12日を含む週で収集される点も今回ポイントです。前回はマーケット急落直後だったため、大幅減でも仕方なかったですが、今回は5月3週目でありそうではありません。
そこで考えたいのがやはり移民流入の大幅減少です。
来月も警戒したい
僕は1月から移民流入減を警戒し、3月以降労働市場が失速してくるみたいなことをだいぶ前に言ってたと思うのですが、その影響が出てる気がします。
移民流入減は昨年6月から始まり、秋にADP雇用統計がピークを付けているため、だいたい5か月前後の時差があると仮定できます。
さらに、2024年は年末にかけて移民流入が前年と比べ半分程度まで徐々に落ちていったのに対し、年初はいきなり20分の1(国境警備局「CBP」の遭遇数で)となったので、6月分の雇用者数もかなり少ない可能性を警戒します。
ちなみにISMサービスPMIも、先ほど記事にしましたが同じころピークを付けています。
移民の流入数を振り返っておく
この記事において移民の影響がADP雇用統計にあるとする見解は仮説です。
しかし、去年米国経済が労働市場の指標以上に強かった背景にあるのは移民増です。(世帯調査の就業者数と、事業所調査の下方修正には移民のカウント漏れが起きているとの分析があります)この事が、強いインフレ、強い需要をけん引してきました。
それを踏まえて
米国は65歳になる方が約410万とかそれぐらい、2007年の出生数(今年18歳)が約430万です。ざっくり言えば移民による増加が無ければ米国の労働力は増えません。
その中で主役は南部からの流入、つまりCBPの遭遇数ルートで、去年は遭遇数が213万、そのうち半分から3分1が庇護等によって釈放され入国しています。
今年は213万が10万になるペースです。
そうすると主力は合法的にビザで流入する約60万人で、昨夜確認したらペースに変化はありませんでした。
誰にも把握されていない完全な不法移民は去年70万ぐらいいただろうと思いますが、今年はそれも激減しているはずでおそらく10万もいないと思います。
これらを総合すると僕は米国の今年の労働力増加は75万人前後だと考えています。※この計算には合法ビザの家族も込みなのでだいぶ願望込めて盛ってます。
仮に全員が労働者としても、月平均6万~7万にしかなりません。
一応、生産性の分1.4%の成長があるので、単純計算ならリセッションにするためにはあと1%以上の押し下げ要因が必要だと思いますが、それでも成長率(総労働人口+生産性)のうち、労働人口についてはかなり厳しい状況が今後本格化するように見えます。
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