最近の中国経済指標を確認し中国政府が動く可能性を考えます

最近の中国の経済指標を確認していきます。中国国家統計局リリースによると、次のようになっています。中国は春節の影響は均すために一部の指標は1-2月の統計を一緒に出している事に注意してください。(同期比とあるのがそれです)

 

直近経済指標

工業生産

前年同期比5.9%増

鉱業が前年比4.3%増、製造業が6.9%増です。

 

小売販売

前年同期比4.0%増

都市部が3.8%増、農村部は4.6%増です。

消費パターン別に見ると、商品小売売上高が3.9%増、飲食は4.3%増となっています。その他スポーツ・レジャー用品は25.0%増、オンライン小売売上高は前年同期比7.3%増加した。1~2か月のサービス小売売上高は前年同期比4.9%増加したとのこと。

 

固定資産投資(農村世帯を除く)

前年同期比4.1%増

不動産開発投資を除くと8.4%増で、内訳はインフラ投資が5.6%増、製造業投資が9.0%増、不動産開発投資が9.8%減となっています。

新築商業ビルの販売床面積は1億746万平方メートルで、前年同期比5.1%減、2024年より7.8ポイント減となりました。新築商業ビルの総販売額は1兆259億元で、2.6%減、14.5ポイント減です。

ハイテク産業への投資は前年比9.7%増で、そのうち情報サービス、電子商取引サービス、コンピュータおよび事務機器製造、航空宇宙機および機器製造への投資はそれぞれ66.4%、31.9%、31.6%、27.1%増加しています。

 

輸出入

前年同期比1.2%減少

内訳は、輸出額が3兆8,812億元で3.4%増加、輸入額が2兆6,551億元で7.3%減少しています。機械・電気製品の輸出は5.4%増加し、輸出総額の60.0%を占めました。

 

失業率

2月の都市部調査失業率は5.4%

前月より0.2ポイント上昇しました。地元戸籍人口の失業率は5.6%、非地元戸籍人口は5.0%です。企業従業員の週平均労働時間は47.1時間でした。

 

消費者物価

前年同月比で1月は0.5%上昇、2月は0.7%下落しています。

食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年同月比0.3%上昇しています。

 

上向いてきた中国経済

もしこのデータをそのまま受け止めるのであれば、中国経済は上向いてきたと感じます。例えば小売りはこの3年ほどの低迷からゆっくりと改善し充分な水準になってきました。

 

物価については中国は年初に落ちることがよくあり、おそらく直近のマイナスは一過性で年率0.6%未満で上昇しているのが実体です。つまり物価がほぼ横ばいであることを考えるとこの小売りの伸びはかなり強いと言わざるを得ません。

 

また、不動産開発投資が極端に減っているなかで、固定資産投資が堅調なのは良い兆候に見えます。ハイテクへの投資も積極的に続いています。

 

失業率に関しては、週に1度しか仕事が無かった日雇い労働者も定義上含まれるので、実体はもっと高いですが、総合的に指標が改善しているならそこまで重視しなくて良いかなと思います。(なぜなら投資の観点では失業率が悪い間に投資しないといけないからです)

 

中国経済の今後について

中国が日本の失われた30年のように同じ道をたどると言う意見がかなり多いですが、ハッキリ言ってそれはあり得ないです。

 

なぜなら、まずひとつに中国の労働人口は減少していても、経済に寄与する都市部の労働人口は地方からの計画的移住で増えています。(過去記事参照)また、失業率の高さも、経済を抑制する主因は労働人口の減少ではないということです。

 

もうひとつは、大不況が長期化する原因は、元FRB議長のバーナンキ氏などの研究から、「吹かし方が足りなかった」という事がもうわかっている点です。中国がそういう基本的な研究を無視して手をこまねいて放置し続けることなどありえないです。

 

ではどのタイミングで動くか?

 

それが今年だと僕は見ています。

だから春節明けに香港株に投資したのですが、これは昨年の9月にFOMCで利下げが決定し直後に中国が経済政策を大々的に発動したことや、今年の全人代で消費を本格的に後押しすることが前面に出されたことでより確信しています。

 

つまり中国経済が上向き、米国の長期金利が低下する状況、中国は長い間(2~3年ですけど)この状況を待ってきたわけです。それを知っていた人が、昨年9月に中国株に回帰し、今年の春節明けにも買っていると考えられます。

 

引き続き中国経済にも注目していこうと思います。

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