2025年1月現在、製造業の重要指標が強く出ています。
僕の考えではこの事が景気拡大の後半の始まりだと見ています。
まず製造業の強さを振り返ります。
例えば先端半導体などの工場が多く全米第2位の製造業規模を持つテキサス州、そこを管轄するダラス連銀製造業指数が着実に上昇しています。詳細を見ると11月分は改善しても雇用は低下など、まちまちな側面もありましたが、12月分の指標は新規受注から福利厚生まで幅広く改善しました。
さらに先ほどISM製造業PMIとS&Pグローバル製造業PMIが出て、同じように改善となりました。
ちなみに11月分のダラス連銀製造業指数のほか、1月前半に出たADP雇用統計でも製造業の雇用は悪化しました。これらは大統領選後に確定してきた仕事量に応じて、予備の人員をレイオフしていたためだと思われます。
製造業は長い間本当に弱かったのですが、アンケート調査などを見るとネックになっていたのは高金利とインフレでした。そして2024年は大統領選があり、これが新規の案件を停滞させていました。
しかし2024年の夏の終わりごろから6か月見通しが上昇し始め、大統領選直前では極めて強い見通しとなっていました。こういった背景もありXでは大統領選後に回復していくことをお伝えしていたのですが、予想通りになっています。現在、大統領選が終わっただけでしっかりと力強い改善を示しています。
ただし、高金利とインフレが終わっていません。
つまり製造業の本格改善はまだです。これはインフレが抑制的になり、金利が低下するなら製造業にまだまだ伸びる余地があると考えられます。
今年から来年以降にかけ、国際通貨基金(IMF)など複数の予測では米国のGDPは低下すると見込まれています。僕も移民の流入減などからそれが起き、概ね2%~2.3%ぐらい?まで落ちると見ています。
このシナリオの通りになるならインフレ率はやがて再低下を始め、やや消費が失速し利下げもしやすくなります。つまり消費やサービス業の若干の縮小を、製造業や金利低下で回復する住宅市場が支える形に移行していきます。これが景気拡大の後半の流れだと僕は見ています。
もちろんGDPは家計が負債を増やし始めたりすればまだまだ伸び、S&P500はマグ7の決算にも大きく左右されますが、少なくても根底では後半への移行が始まっています。
まもなく国境警備隊の2月の移民遭遇数が出ます。
そちらも確認し現在米国経済がどのような現在地なのか確認していきましょう。
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