米国雇用統計 レヴィタン委員会によって精度が上がった全労働者総労働時間指標

面白いことに気が付きました。
画像は米国の非農業部門、全労働者の総労働時間のチャートです。

 

グレーの部分が景気後退期です。

1980年代よりあとのリセッションでは直前の低下がハッキリしています。しかしそれより古い時代は曖昧で、僕はこの原因がはっきりとはわかっていませんでした。

 

でも総労働時間は成長率との因果関係があるため、兆候が曖昧なのはおかしいのです。

 

そこで改めて調べたところどうやら雇用統計は、1980年代に大がかりな改善が行われていたとわかりました。BLSの関連記事 関連記事

 

簡単に説明すると、1979年に「レヴィタン委員会」という諮問委員会が雇用統計の懸念点を調査、勧告しています。この指摘をきっかけに、事業所調査(CES)のサンプル数は75年の約160,000事業所から89年には455,000まで拡大しました。さらにそれまで重視されていた製造業だけでなくサービス業のデータや、パート労働者に関する収集も拡大していました。

 

つまり1980年代を境に総労働時間がハッキリと減少するようになったのは、CESの精度向上によるものだと考えられます。そしてこの背景を考えると、おそらく今後も総労働時間の推移は80年代よりあとの高い精度を発揮してくれると思います。

 

ちなみに現在はまだ上昇中です。

多くの関係者の努力によって、着実に経済指標は改善されている、そんな事がわかる新しい気付きでした。

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