米国 2月の消費者調査を振り返りインフレ期待を考えておきます

 

ミシガン大学消費者信頼感

ミシガン大学によると消費者信頼感は57.9となり前年比で-27.1%となりました。1年先のインフレ期待は4.3%から4.9%に上昇しています。

 

次のチャートはあまり見る機会がないと思いますが、信頼感調査の年率比の推移です。FREDのデータは速報値が反映されないため-30ぐらいまで落ちているとイメージしてください。

※Surveys of Consumers, University of Michigan, University of Michigan: Consumer Sentiment © [UMCSENT], retrieved from FRED, Federal Reserve Bank of St. Louis, (Accessed on date:19/3/2025)

 

次はインフレ期待(予測)の推移です。

※Surveys of Consumers, University of Michigan, University of Michigan: Inflation Expectation© [MICH], retrieved from FRED, Federal Reserve Bank of St. Louis https://fred.stlouisfed.org/series/MICH/, (Accessed on date:19/3/2025)

 

こちらも速報の通りなら2022年11月ごろと同等の水準になっています。

 

この指標は約50の質問、例えば自動車を買うのに今が適していると思うかなどの質問をし、その調査結果は実体経済と同等かやや先行する指標です。(サンプル数が500と少なめで基本的にブレ幅は大きめ)

 

しかし、現在は支持政党によってインフレ期待が大きく違っています。

 

つまり消費者信頼感が今年に入って低下傾向に切り替わったことは無視できませんが、インフレ期待が最近急上昇しているのは無党派層と、民主党支持層の強い悲観が押し上げすぎている可能性があります。

 

NY連銀消費者調査

サンプル数1300のニューヨーク連銀消費者調査では、直近の1年先インフレ期待は3.1%となっています。

 

その他1年後の家計見通しや失業率上昇を予測する消費者が増えており、債務支払いが滞ると答える消費者も増えました。

 

消費者マインドの失速を示していることはミシガン大消費者調査と同じですが、インフレ期待はかなり乖離しています。

 

コアな政党支持者のウェイト付けを調整しているのか、サンプル数が多い事でこの結果になっているのかは不明ですが、いずれにしてもSNSやyoutubeでミシガン大のインフレ期待だけを取り上げている見解には少し注意しておきたいです。

 

実体を正確に表しているのは失速の部分だけで物価はもう少し先行データ、特に関税発動後のPPIとCPI、コアCPIが出てくるのを確認しないといけません。※ただし最近、バルチック海運指数など物流面のコストはやや上昇しています。

 

そんな状況になっています。

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