米国 ADP雇用統計を見ていきます(2025年2月分)

 

ADP Research資料によると、結果は77,000と大幅に悪化しました。賃金上昇は継続者で前年同月比で4.7%上昇、転職者で6.7%です。転職者が1月より0.1%低下しています。

 

ADP雇用統計のおさらい

ADP雇用統計は給与計算の委託業務を請け負う ADP, Incの統計で、雇用者数はサンプル数が2500万以上、賃金は1480万と膨大なデータに基づいています。

 

特に給与インサイトは必ず見ておきたい指標のひとつで、時給や基本給だけでなくボーナスなどあらゆる賃金が反映されているため、政府発表の平均時給では追えない雇用の実体を推測するのに大変参考になります。

 

一方で給与計算を委託できる企業のデータなので、相対的にやや優良企業が多い点は差し引いて解釈する必要があります。

 

2月の結果を見ての考察

最近の移民動態から、僕は雇用者数が減少していくことをこちらで記事にしていました。

 

移民の件だけでおそらく10万ちょいとか、それぐらいになると思うので、今回はそこへ関税懸念による企業の萎縮が重なって10万を大幅に切る結果になったと思います。

 

そのため少ない数字ですが違和感はありません。

 

また、関税懸念が多少晴れれば7万よりは回復していくと思います。それと賃金上昇がインフレ率を大幅に上回っているので、小売りの減少などが急に大きく悪化する状況も考えにくく(移民流入が減ってるので悪化はします)まだリセッションを想定するには早いです。つまりマーケットの長期資金の機関などは、今回のADP雇用統計を見てもまだリセッションを想定していないはずです。

 

ただし、警戒は明確に始まりました。

 

今後5万~10万を数か月継続するような場合は要注意です。

 

その場合は過去の傾向で言うと全労働時間が減ったり、リセッションを予測できる先行指標はどんどん悪化するはずです。

 

それを最も早く反映するのは新規失業保険申請などですが、その他先行性のある指標のチェックが欠かせなくなっています。

 

重要な指標は全てこのブログで追跡していくので今後も参考にしてください。

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